あっという間に生まれ出た三女ではあったが、次女と同じで、しばらくはへその緒が繋がったまま、ベッドで安静にしている。
一歳八ヶ月で次女の立ち会い出産を経験した長女も、あの時赤子だった次女も、今回は幼稚園児なので、しっかりと三女を迎えることができた。
そして、なんと今回へその緒を切ったのは長女である!
I先生に促され、ハサミを使う。
写真の中で、彼女は目を閉じてその怖さに耐えている。
それは緊張するよな?
それを見守る次女…。
頭を撫でてやったり、おくるみの三女を抱っこする二人。
二人にとっても立ち会い出産が与えた影響は大きいと思う。
赤子にかあちゃんを奪われた感覚は否めないと思うが、二人はI助産院の環境の良さを堪能したはずだ。
散歩で、道の脇に生えている育ち過ぎた、たけのこを採ったり。
広い芝生のお庭で、裸になり新聞紙の衣装をまとって、水鉄砲合戦をしたり。
ヒノキの丸桶でできた風呂に家族3人一緒に入ったり…。
長い合宿生活で、かみさんが三女にかかり切りになっているから、少しでも気晴らしをして貰おうと、I先生は食事にイベント性を盛り込んだり気を配って下さった。
木桶に一杯のそうめんが昼食だったり、退院前の夕食にはウッドデッキでバーベキューパーティーをして下さった。
本当に楽しい合宿生活だった。
実際、『雫の生まれる時』『空の生まれる時』のアルバムは、どこのマタニティイベントに持参しても好評で、I助産院を紹介して欲しいと頼まれることが多々あった。
初産の時もいろいろ不安はあるだろうけれど、上の子がいる時の出産と退院までの間の心配事は、妊婦の悩みの種であるらしい。
『家族で迎える新しい生命』、立ち会い合宿出産を受け入れてくれる施設も、世の中には存在する。
続く
紙芝居師 夢追人拝
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