入院がはじまって6日目は夜になって2度目のモニター検査をすることになりました。
「なぜ就寝前に?」と少し気になりましたが、赤ちゃんの動きも感じられたし、特に何も言われないのできっと大丈夫だったのだろうと眠りにつきました。
この年の5月は本当に暑く、この日の夜は特に寝苦しく感じ、夜中にのどの渇きで目を覚ましてしまいました。
あいにく、枕元に水分がなく、自販機まで行くことが面倒で「ま、いっか」と我慢したことを私はのちのち後悔することに・・・。
そして迎えた朝。
「今日の朝ごはん、メニューはなにかなー」と楽しみにしていた私のところにやってきたのは朝ご飯ではなく、看護師さんでした。
「先生から話があるそうです。診察室へ行きましょう」と言われて、私は用意された車いすに載せられたのです。
お腹が痛むわけでもなく、出血があったわけでもない。
夕べのモニターでも赤ちゃん動いていたはずよね?!
今日もおいしく朝ご飯が食べられるのを待っていた私の体になにが起こっているのか。
この瞬間も全く自覚症状はありませんでした。
しかし、診察室でドクターから聞かされた言葉は「もう赤ちゃんがこのままでは危ないわ。出そう」という思いがけない言葉でした。
前日の夜のモニターチェックの結果を受けてのことでした。
私が絞り出したのは「え・・・でも先生、まだ小さいですよね。出てきたらどうなるんですか」という言葉しかありませんでした。
先生は
「わからん。でもこのままではあぶない。赤ちゃんと私たちを信じてくれ。帝王切開になるよ」と言いました。
おかしな話ですが、担当ドクターはダンディなおじさま。
頭に衝撃が走り、ぼーっとしていた私。
「あーー、先生真剣な顔もやっぱりダンディ。先生なら信じられる」という不思議な心持ちですべてを託すことを決めました。
その瞬間から突然の出産へのカウントダウンがものすごいスピード感ではじまったのです。
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